災害への備え

災害への備え [台風・水害・土砂災害への備え]

台風、洪水、都市型水害(浸水)対策は、情報収集がものをいう
日本の災害対策は伊勢湾台風を教訓に始まった
住まいのある地域の“水害リスク”をチェックする
土砂災害は、一瞬にして命と生活の場を奪っていく
あなたの家の「地盤」は大丈夫だろうか
今後はスーパー台風が発生する可能性が大きい!?
日本の災害対策は伊勢湾台風を教訓に始まった
 暴風雨がまるで生き物のように移動しながら、強烈な破壊力をもって襲いかかってくる台風。昔から日本では、毎年繰り返すこの自然災害に対し、できる限りの知恵と工夫で被害を小さく抑えようと努めてきました。
 歴史を振り返ると、昭和34年の伊勢湾台風は死者・行方不明者が5000人以上にのぼり、室戸台風(昭和9年)、枕崎台風(昭和20年)と併せて昭和の三大台風として長く記憶されてきました。現在、国の防災対策の根幹となっている災害対策基本法は、伊勢湾台風を契機につくられたもの。日本では「災害」といえば、地震に並んで台風の脅威がきわめて大きかったわけです。
 今日では、そうした防災対策の効果もあり、また天気予報の精度が向上し台風発生後の進路が逐一ニュースなどで報道されることによって、台風の被害自体は抑えられる傾向にあります。台風による被害を最小限に抑えるには、ふだんから情報収集をおこたらず、事前に十分な備えをすることに尽きるといえるでしょう。
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住まいのある地域の“水害リスク”をチェックする
  台風への備えにおいては、懐中電灯や携帯ラジオ、飲み水といった緊急時の備品を整えておくだけでなく、まず、自分たちが住む地域にどんな“水害リスク”があるかをチェックすることが大事です。
 たとえば海沿いで高波のおそれがある地域、山沿いで土砂崩れの危険性がある地域、川沿いで水位が上がれば浸水のおそれがある地域などがあります。自治体の防災マップなどを調べ、住まいのエリアにそうした危険性があるかどうかを調べるのに加え、家族で「万が一」の場合の避難経路などを確認しておきましょう。
 近年、増加傾向にあるのが都市部での水害(浸水)被害です。都市部にゲリラ的な集中豪雨がおきると、アスファルトで覆われた地面は雨水をそのまま下水へと直行させ、下水があふれればあっという間に危険水位を超え、住宅が浸水します。地下道や商店街などの地下施設、マンションなどの地階は特に浸水の危険性が高く、ビルの電気設備が地下にある場合は、停電や感電事故等のおそれも高くなります。
 そうした都市型水害も含め、“水害リスク”をきちんと知ることが第一。その上で、台風発生後は天気予報に注意して、台風接近前には庭の物干しや鉢植えを飛ばされないように片付ける、雨戸を閉めるなどの対策をしましょう。浸水の危険性が高い場合は、家財道具や食料品、貴重品などを高い場所に移しておくことも必要になります。
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土砂災害は、一瞬にして命と生活の場を奪っていく
 自然災害のなかでも「土石流」「地滑り」「崖崩れ」の3つは、特に土砂災害と呼ばれます。梅雨の長雨の時期や台風襲来のころになると、毎年のように日本各地で土砂災害が発生し、多くの命が失われています。
 このうち土石流は、大雨によって山や谷の土および石が流され、ものすごいスピードで下流を襲うものです。土石流は山の斜面や谷底の土砂を削り、巻き込みながら膨れ上がって、大変な破壊力を伴って下流域の住宅や田畑を襲います。
 地滑りは比較的ゆるやかな斜面で、地中の粘土層までたくさんの雨水が染み込むと、上の地面がゆっくりと滑り落ちるものです。ゆっくりではありますが、広い範囲で起きるため、その上に住宅や田畑があった場合、大きな被害が出ます。
 崖崩れは大雨によって地盤がゆるみ、崖が突然崩れ落ちて住宅や田畑を埋めてしまうものです。この崩れ落ちるスピードは大変速いので、住宅の近くで起きると逃げ遅れる犠牲者が出てしまいます。
 こうした危険性の高い地域は、あらかじめ自治体の防災マップなどで調べておくことができます。土石流発生の危険性がある渓流で人家に被害をもたらすおそれがあるところは「土石流危険渓流」、地滑りについては「地滑り危険箇所」、崖崩れは「急傾斜地崩壊危険箇所」など地図に示され、当該エリア(実地)にも看板などで掲示されているので、チェックしておきましょう。
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あなたの家の「地盤」は大丈夫だろうか
 土砂災害にあったら、すべての家が崩れるわけではありません。この点も、ふだんからよく考えておくべきことです。土砂災害にも負けない丈夫な家とは、構造がしっかりしていること、地盤がしっかりしていることの、両方を満たした家です。近年、家の構造的な強さに関心を持つ人は増えてきていますが、地盤について知る人は、まだまだ少ないのが現状でしょう。
 一般に住宅の地盤調査は、建物の四隅と中央部にあたる部分の地面に、少しずつ荷重をかけながらデータをとっていきます。調査の結果次第で改良工事が必要な場合は、地盤の状況にあわせ改良工事を行います。こうした地盤調査や改良工事の内容は、一般の人が見てもわかりにくく、判断しづらいものですから、最初に信頼できる専門企業を選んで依頼することが大切です。
 地盤のよしあしは、地震への備えにも直結します。阪神・淡路大震災では、地盤改良した土地に建った住宅は、地盤のよくない地域の建物に比べ、明らかに倒壊などの被害が少なかったというデータもあります。
 これから家を建てる人は、こうした点も踏まえ、見えない基礎の部分にしっかりと手をかけることで、安心・安全を確保することができます。地盤に加え、建物の骨格になる構造体が丈夫な家を選ぶことも、同様に大切です。
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今後はスーパー台風が発生する可能性が大きい!?
 2005年に米国南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」は、最大風速78メートルを記録、多数の死者・行方不明者を出して甚大な被害を及ぼしました。このカトリーナ級のスーパー台風が、今後日本にも上陸するのではないかと予測されています。
 これは、地球温暖化による海水温の上昇により起こると考えられ、スーパーコンピューターのシミュレーションによれば、今世紀中に西太平洋の海水温は2度上がり、最大風速80メートル台のスーパー台風も出現する可能性があるとのこと。スーパー台風と呼べるのは中心付近の最大風速が130ノット(秒速で67メートル)を超える非常に強い台風であり、今後予測されている超スーパー台風になると、さらにパワーは強大になるわけです。
 風速80メートルの暴風が直撃すれば、ふつうの木造住宅なら、ひとたまりもありません。「省エネやエコ活動で地球温暖化を防止しよう」という活動も盛んですが、同時に私たちはこれから真剣に気象の変化を見守り、「自然災害に負けない家づくり」をしていく必要があるといえるでしょう。
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