防災住宅研究所

コラム

<コラム12>12月1日に放送された「NHKスペシャル 体感・首都直下型地震 プロローグ あなたは生き延びられるか」を見て、「地震に損壊なし」「台風に損壊なし」「火災でも燃えない」『防災住宅』の必要性を痛感!

首都直下型地震の30年以内の発生確率は既に70%を超え、死者想定は23,000人、負傷者想定127,000人。同時多発火災の発生、200mを超える火災旋風が発生し、死者想定のうち16,000人が火災で亡くなると想定されている。全壊家屋は175,000棟、火災による焼失建物は412,000棟にも及ぶ。800万人の帰宅困難者が発生し、群衆雪崩による死者も発生する・・・
このNHKスペシャル体感・首都直下型地震のプロローグを見たとき、何よりも意を強くしたのは私の提唱する「防災住宅」を1日も早く普及させなければいけないという思いだった。想定させている首都直下型地震のマグニチュード7.3は阪神淡路大震災と同等。震度は当然のことながら最大震度7を記録する。

私の提唱する「防災住宅」の定義は、最長の住宅ローンが終わる35年間は地震、津波、台風、ゲリラ豪雨、土砂災害、竜巻、シロアリなど、住宅を襲う様々な災害に対し、全壊・半壊は当然のこと、一部損壊さえもなく「家族の安全を確保」し、災害後も避難所に行くことなく、自宅でストレスのない生活環境が得られる住宅とする。というものである。

いくつかの住宅メーカーが「防災住宅」と言う名を使用し、いかにも「災害に強い」ことを強調して住宅を販売しているが、上記のような明確な定義がない。

下記に明確に「防災住宅とはどのようなものか」を記すが、この住宅は阪神淡路大震災をはじめ、それ以降の巨大地震にも構造躯体の損傷は「0」のWPC工法(W=Wall P=Precast C=Concrete)を採用している点が、他の住宅メーカーではまず真似のできないことだ。勿論、このWPC工法はこの30年以内に襲ってきた巨大台風の風速40m/sを超える強風に遭っても構造躯体の損傷はない。加えて重要なのは、コンクリートは「燃えない」ということである。

■「防災住宅」の特徴

  1. 土砂災害危険区域、崖条例地域をA地域とする
  2. 30㎝以上の津波が襲ってくる可能性があり、ハザードマップ等で河川の氾濫、高潮等によって床上浸水の可能性がある地域をB地域とする
  3. 直下型、プレート型地震によって震度6以上の揺れの可能性がある地域をC地域とする

●A,B,C各地域の共通点

  • 躯体構造はWPC工法とする。
  • 300ℓ以上のエコキュートを採用し、その基礎は地震・土砂災害でも倒れない強化基礎とする。
  • ライフライン断絶時対応住宅とする。非常用電源(蓄電システム)あるいは発電機を用意し、卓上コンロやIHコンロを備え、停電時も使用可能な災害時対応電気配線部屋を施した防災部屋1部屋を確保する。廊下には停電時携帯電灯となる保安灯を設置。
  • 通電火災を発生させない、感電ブレーカー付き住宅分電盤(3分猶予付き)設置火災対策にワイヤレス連動型住宅用火災報知機を設置
  • 家族5人分×1週間分の非常用トイレ、水、食料の備蓄
  • 上記、非常用発電機や非常用トイレ、水、食料等の備蓄場所を確保
  • 土地の境界等に設置する塀のブロック使用は厳禁

●A地域の特徴(土砂災害、ガケ条例地域) 

  • 山側の1階部分は開口部は最小限とし、開口部を設ける場合には鉄格子を設置。
  • 開口部は谷側を活用する。災害時対応電気配線を施した防災部屋1部屋を2階の谷側の部屋に確保し、備蓄場所も2階とする。エコキュートの設置場所も谷側とし、震度7が襲ってきても倒れない強化基礎とする。

●B地域の特徴(津波、河川の氾濫、高潮の可能性)

  • 屋上に百年住宅グループが提供する津波対策シェルターペントハウスを設置し、棚を設け、備蓄場所とする。災害時対応電気配線を施した防災部屋を2階に確保

●C地域の特徴(震度6以上の地震)

  • 災害時対応電気配線を施した防災部屋1部屋を1階に確保し、備蓄場所、震度7でも倒れない強化基礎としたエコキュートの設置場所も1階とする

まだまだあらゆる災害から家族の命を守る「防災住宅」の開発はスタート地点に立ったばかりである。まだまだ改良の余地はあると思っている。だが、現存する一般住宅の中でこの「防災住宅」が最強であることは間違いないと確信する。

来年度は、一気に販売網拡大に注力したい。

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