防災住宅研究所

コラム

<コラム15>9年経って避難者なお東日本大震災47,737人、昨年襲った台風19号の避難者半年経って8,387人。いつ我が家に住めるのか・・・

上記の数字を見て、愕然としてしまう。東日本大震災は津波だけでなく、福島第一原発の爆発によって我が家を奪われ、9年が経過した今も我が家に帰れない人がこんなにも多いことに災害の怖さを痛感する。福島の避難指示解除も徐々に進んではいるが、我が家にいつ帰ることができるのか・・・いまだめどの立たない地域も少なくない。

政府は2020年度末だった復興庁の設置期間を30年度末まで延長を決定。東日本大震災の爪痕がいかに大きく、多くの問題をはらんでいるのか。経験のない出来事とは言え、人間に想像をはるかに超える災害を簡単に考えてはいけない。
同様に昨年9月の台風15号、10月の台風19号、21号で自宅を失い、仮設住宅に入居する人が半年経った4月1日時点で11都県8,387人にも上る。

私は常々、「あらゆる災害に強い家に住まなければいけない」と声高に言っているが、多くの人は我が家を災害に奪われたにもかかわらず、「天災だからしょうがない・・・」と泣き寝入りしている人が多い。中には地震保険や火災保険に入っていたから、「保険金が出たからよかった」と言っている人もいるが、「あなたは運よく我が家の損壊だけで済んだのです。もし、家族の命を失っていたなら、保険では取り戻せない」ということを肝に銘じてほしいと思う。

家に対する情報が少ないのだと思うが、災害によって壊れた弱い工法の家なのに、また災害によって壊れる工法の住宅を選ぶのはどうだろうか? 住宅展示場に行けばどの住宅メーカーも「地震に強い」「災害に強い」ことを強調され、鵜呑みにしてハンコを押して帰ってはいけない。住宅展示場に足を運んだ時には、「お宅の住宅は阪神淡路大震災(熊本地震やその地域を襲った巨大地震)で何棟の全壊、半壊、一部損壊がありましたか?」と聞いてみるべきで、木造系、鉄骨系は少なからず住宅に損傷があったことを知っておいてほしい。

これからも巨大災害は襲ってくることは間違いない。その時「壊れる家」「壊れない家」どちらが安全で、より経済的かをしっかりと考えてほしい。災害が来て、尊い命や自宅を失ってからでは遅いのだから・・・。

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