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<防災アレコレ4>風速50m/sの強風にも「新耐震基準」「耐震等級3」は強いのか?

台風の突風によって屋根が飛ばされてしまった木造住宅

令和2年9月6日から7日にかけて南西諸島を突き抜け、九州の西側を通り過ぎた台風10号。一時は特別警報級が発表されるかという状況に国民はおびえ、コロナ禍での避難者をどう受け入れるのか自治体も避難所での受け入れ人数を制限するなど、国民を震撼させました。特別警報は発表される基準は下記のようになっています。ともに「数十年に一度の」という現象が基準になっているようですが、毎年のように「数十年に一度」クラスの台風や集中豪雨が襲って来ている現状に、この基準自体を見直す必要性があるのではないかと言われています。

気象等に関する特別警報の発表基準

南西諸島の家々では窓にガムテープや木を打ち付けるなどの補強をしたことも寄与したのか当初の報道ほどの被害もなく、暴風圏・強風圏の方々は胸をなでおろしたところだと思います。台風は進路や大きさもわかる前もって対処のできる災害ですので、今回に限らず、早目の対処は重要です。

窓の補強(徳之島)

さて、今回の台風10号では全壊1棟、半壊4棟、一部損壊193棟(消防庁災害対策本部9月9日時点)と通常の台風被害よりも少ないとも思える住宅被害でした。しかし、昨年の台風15号では全壊391棟、半壊4,204棟、一部損壊72,279棟(消防庁)、台風19号では全壊3,308棟、半壊30,024棟、一部損壊37,320棟(内閣府)と、この2つの台風だけで15万棟近い住宅が損壊しているのです。最大瞬間風速は台風15号では千葉県内で57.5m/s、19号では江戸川区臨海で43.8m/s。台風15号ではゴルフ練習場のポールが倒れ、住宅を直撃したりもしています。

(上図はhttps://www.sankei.com/images/news/200905/afr2009050014-p2.jpgより)

上記に風速と建物の状況がありますが風速40m/s以上で「鉄骨プレハブ住宅の壁は変形し、木造住宅は倒壊」と予測されています。今回の台風10号では南大東島近辺通過時に最大瞬間風速70m/sというものでした。
しかしその対策がないわけではありません。沖縄県は多くの台風の通り道でありながら、住宅被害の報道がほとんどされていません。その理由は、どういう住宅工法が台風に強いのかを知っているからなのです。令和元年の国土交通省建築着工統計報告によると、沖縄県内の鉄筋コンクリート系新築着工数は全体の85.56%という数値が出ています。
鉄筋コンクリート系の建物しか、残念ながら風速40m/sを超える強風に耐えることができる住宅はないと言えるのかもしれません。

つくば市を襲った竜巻によって大破した軽量鉄骨住宅

コンクリートで造られた石垣島の住宅

タイトルで挙げた『風速50m/sの強風にも「新耐震基準」「耐震等級3」は強いのか?』に関する答えは、『NO』と言わざるを得ないのです。私が多くの災害現場に行って調査した結果も同様で、木造住宅は最も弱く、鉄骨系住宅も残念ながら強風に「強い」とは決して言えないのです。

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