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<防災アレコレ5>知らないと損をする!? 災害に備える家造りで必要なこと

パンフや展示場での知識と実際の災害現場は違う!

今や家造りの基準で外すことができなくなっているのが「災害に強いかどうか」です。南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率は昨年80%を超え、50年に一度程度の強い台風は毎年にように襲って来ています。我が家が災害で損壊しても「災害は天災だから仕方がない・・・」と聖人君子のように自分を納得させることができる方はすごい方です。
とは言え本心は災害で損壊する住宅なんか、建てたくはないし、災害で我が家が損壊して修繕費は出したくないはずです。
しかし皆さん、どんな住宅が本当に「災害に強い」のか、お判りでしょうか?
「TVCMでよく見かけるから」「住宅メーカーのHPを見て強そうだったから」「住宅展示場の営業社員の説明を聞いて強いと思ったから」その住宅を災害に強いと思われたのでしょうか。

皆さんが思っている「強い」の基準とは何でしょうか? 住宅メーカーは一社として「我が社の住宅は災害に弱い」と言って販売することは皆無です。どの住宅メーカーも「災害に強い」と言って販売しますが、そもそもこの「強い」という言葉自体があいまいなのです。

「耐震等級3を取得しているから地震に強い」と営業社員は言います。皆さんも「耐震等級3」と聞いて、間違いなく「強いんだ」と感じられるでしょう。確かに新耐震基準で建てられた住宅は「耐震等級1」ですから、これよりも強いことは間違いありません。でも皆さん、熊本地震で最も被害の大きかった益城町では、「耐震等級3」の住宅も損壊しています。もし我が家がその損壊した住宅であったとしたら、「さすが耐震等級3。災害に強い」と言えますでしょうか! 決して言えないはずです。反対に「なにが耐震等級3だ。壊れたじゃないか!」と怒りがわいてくるはずです。ましてや耐震等級3で強いから大丈夫と地震保険に入っていなかったら・・・これはもう悲劇としか言いようがありません。修繕費はすべて持ち出しです。熊本地震では一部損壊の修繕費に対し、100万円以上の修繕費がかかった場合に対し、義援金から10万円が支給されただけです。

まだ建築後左程経過していないと思われる住宅の屋根が損壊しブルーシートで応急処置

まだ建築後左程経過していないと思われる住宅の屋根が損壊しブルーシートで応急処置

皆さん、可能ならば災害現場に足を運んでみてはいかがでしょうか? 現地の安全が確認されてからボランティアでも構いません。実際自分の目でどのような住宅が壊れ、どのような住宅工法が壊れていないのかを見てくるのは重要なことです。何千万円も出して購入する我が家ですから、納得をして購入したいものです。パンフレットや展示場で確認したものと災害現場の現実の世界は全く違っています。災害は人間の想像を超えて襲ってきます。

過去の災害における損壊実績は大事!

新聞は2007年に発生した新潟中越沖地震後の取材で書かれた日本経済新聞ですが、赤線で示した部分に重要なことが書いてあります。日本を代表する大手住宅メーカーですが、全壊・半壊はないものの、一部損壊は多くあったことがうかがえます。建築基準法は住宅が倒壊しないことを目的に作られていますから、その目的には適っています。ただ「無傷」ではなかったのです。

日本経済新聞

日本経済新聞

「新耐震基準だから」「耐震等級3だから」「鉄筋ブレースが入っている」「耐震工法だから」「制震工法だから」「免震工法だから」と言っても、現実に巨大地震で損壊し修繕を余儀なくされたならば、「強い」などという言葉は胡散霧消します。ましてや住宅が倒壊し、家族の命を奪ってしまうこともあるのですから。過去の災害時にどれだけ損壊が発生していたかは重要なポイントです!

「耐震等級」については<防災アレコレ3>で詳しく書いていますから、こちらをご覧ください。防災住宅研究所が定義する「災害に強い」基準とは「地震、津波、台風、ゲリラ豪雨、土砂災害、竜巻、シロアリなど、住宅を襲う様々な災害に対し、全壊・半壊は当然のこと、一部損壊もなく家族の安全を確保し、災害後も避難所に行くことなく、自宅でストレスのない生活環境が得られる」ことと規定をしています。

こんなにも違う!減価償却費による住宅の耐用年数

<減価償却費による住宅の耐用年数>
●鉄筋コンクリート造(RC)・・・・・・・・47年
●鉄骨・鉄筋コンクリート造(SRC)・・ ・・47年
●レンガ造、石造、レンガ造・・・・・ ・・38年
●鉄骨造(骨格となる鉄骨の厚みによって)・19年~34年
●木造・・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・22年
●木造モルタル造・・・・・・・・・・・・ 20年

上記の数字をご存じでしょうか? 減価償却費・・・すなわちそれぞれの建物の資産価値が0円になるまでの期間を表しています。もちろんこれは、住宅の強さを表す指標とも言えるかもしれません。木造住宅等は鉄筋コンクリート造の半分以下の年数しかありません。それはなぜか? それはそれだけ早く経年劣化によって傷みが早く価値を失ってしまうからほかありません。ゆえに築20年の中古物件として販売しようとしたときに、資産価値が0円の木造住宅とあと27年残っている鉄筋コンクリート造ではどちらが高く売れるかお判りですね。

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