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<防災アレコレ8>住宅メーカーの「巨大地震に倒壊なし」「全壊・半壊ゼロ」の記載に要注意! 「倒壊なし」は「全壊あり」の隠れ蓑???

「倒壊なし」は「全壊あり」の隠れ蓑???

住宅メーカー各社の災害対策がどのようになっているのか、(一社)防災住宅研究所公式YouTubeチャンネルで紹介するため、「防災対策」が掲載されているカタログを取り寄せて一社一社チェックしてみました。
そこで「おやっ?」と思わされる表現がありました。
セキスイハイムの「RESILIENCE100」というカタログ内に

「ミニコラム【強さの実証②】過去の耐震実績」
阪神淡路大震災や東日本大震災でも倒壊なし
熊本地震被災地のセキスイハイム約15,000棟倒壊なし
※「倒壊なし」は構造体ユニットのボックス形状が保たれている状態、もしくは補修により耐震性能が回復できる状態と定義しています。津波・地盤による被害は含みません。(当社調べ)

このように表現されていました。皆さんは「倒壊なし」を読んで、「さすがハイム、強い!」と思われるのではないでしょうか。しかし長年災害現場に行って調査をしている私の受け止め方は違います。
自社定義で「倒壊なし」としていますが、もしかすると「全壊」があったのではないかと疑ってしまいます。というのも、「倒壊なし」と「全壊」では基準が違います。下記に災害時の被害認定基準がありますが、もし「全壊」していてもその住宅が「倒壊」していなければ、「倒壊なし」と言えるのです。
さらに、もし「全壊」が1棟もなければ「全壊なし」と記載しているのではないでしょうか。さらに「半壊」や「一部損壊」はどうでしょう。もし「半壊」「一部損壊」もなければ、「半壊なし」「一部損壊なし」と記載するのではないでしょうか。

【強さの実証】が逆になってはいないでしょうか。
ミサワホームのカタログ、MISAWA-LCP備える▶守る▶支える[防災・減災デザイン]にも次のような表現がありました。

「創立以来、地震による建物の倒壊はなく」※地盤に起因する被害、地震に伴う津波や火災による被害は除く。

という文面。

倒壊はしていなくても、もしかすると「全壊」しているのではないだろうか・・・。そう危惧させてしまいます。
他にも「全半壊ゼロ」「全半壊なし」という表現のカタログもありました。すなわち「一部損壊」は多く発生していることが読み取れます。
(一社)防災住宅研究所では「災害に強い」住宅の定義を【最長の住宅ローンが終わる35年間は地震、津波、台風、ゲリラ豪雨、土砂災害、竜巻、シロアリなど、住宅を襲う様々な災害に対し、全壊・半壊は当然のこと、一部損壊さえもなく「家族の安全を確保」し、災害後も避難所に行くことなく、自宅でストレスのない生活環境が得られる住宅とする】としています。


一部損壊であっても数10万円から場合によっては数100万円の修繕費が必要になります。もし我が家がそうであった場合、あなたはその住宅を「災害に強い」と呼ぶことはできないでしょう。住宅ローンの上にこの修繕費を払わなければいけないのです。住宅メーカーは「災害に強い」と謳っていますが、災害の修繕費を住宅メーカー負担で修繕はしてはくれないということを知っておくことです。

住宅メーカーは自社に不利になると思われることはカタログに記載しないか、表現を変えています。
「津波対策」は記載なしの住宅メーカーがほとんどです。対策されていないからです。
住宅メーカーのカタログから「対災害」の本質を見抜くことも重要です。

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