防災住宅研究所の防災住宅は、
「防災住宅グッズ大賞2021 住宅部門」にて
家自体では初となる”大賞”をいただきました。
一般的な住宅との違い
「防災住宅」と聞くと
堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、
外観・内装などは一般的な住宅と変わりません。
他の住宅との大きな違いは、構造・工法です。
過去の大地震で窓ガラス一枚も割れることがなく、
津波や土砂災害でも構造躯体に損傷のない「WPC工法」を採用しています。
在宅避難を可能にする最新の設備を標準装備しています。
【火災から命を守る家づくり】一般社団法人 防災住宅研究所では、住宅を襲うあらゆる災害から「命と財産を守る」ため、防災・防災住宅に関する研究を行うことを目的としています。
WPC工法とは
あらかじめ⼯場内で作られたコンクリート・パネルを建設現場で箱型に組み⽴てる⼯法で、「壁式鉄筋コンクリートパネル組⽴造」と呼ばれ別名WPC⼯法とも呼ばれています。
※WはWall=壁式 PはPrecast=あらかじめ作る
CはConcrete=コンクリートの略です。
WPCの歴史
1923年に相模湾北部を震源地とするマグニチュード7.9の発生した関東大震災で10万人を超える死者数と約11万棟の全壊住宅、20万棟を超える焼失住宅が発生したという教訓から、昭和30年代初頭に建設省が主導で「耐震性」「耐火性」「耐久性」をテーマに造られた住宅なのです。
当時の建築技術の粋を集めたメイド イン ジャパンの住宅工法なのです。
WPCの特徴
現場打コンクリートの2倍の圧縮強度を持つコンクリートパネルを箱型に組み立てるのが特徴です。
地震などの外力をラーメン工法のように柱と梁といった「点」で受けるのに比べ、WPC構造は「⾯」で受け⽌めるため、非常に強固な構造になっています。
防災住宅の強み
防災住宅は、過去の災害で最も被害の少ない建築方法の
WPC工法が使われており、
また、その土地のリスクに応じて具体的な対策を行うため、
各災害に対して、在宅での避難を可能にしています。
津波から
垂直避難を可能にする設備
津波シェルターペントハウス
「住宅の中でお風呂のお湯に洗面器をひっくり返してできる”空気だまり”を作れば、例え住宅が水没するような津波に襲われても家族の命を守ることができるのではないか」という発想から生ました。
床下浸水及び
床下の汚泥撤去の必要なし
地熱利用強化基礎工法
床下の空間を土で充填し、防水シート、砕石、コンクリートで覆う「地熱利用強化基礎」工法。床下の空間がないため、浸水後に非常に苦労する床下の汚泥撤去の必要がなくなります。
防災住宅のメリット
飛び抜けて対災害への耐性性能が高い
WPC⼯法のメリットは何と⾔っても他の住宅⼯法と⽐較して、⾶びぬけて災害耐性が⾼いということがあげられます。
WPC⼯法の住宅は阪神・淡路⼤震災で、被災地に建つ495棟のうち、1棟も⼀部損壊がなかったほか、東⽇本⼤震災でも、5mの津波にも流されず、構造躯体をそのままとどめています。
またつくば市の巨⼤⻯巻にも構造躯体に損傷がなく、2014年に発⽣した広島⼟砂災害においても2mの⼟砂を住宅で受け⽌め流されず、下の住宅を守っています。このようにあらゆる災害に強い実績を持っています。
遮音性能が高い
壁がコンクリートパネルで強固なため、例えば1000Hz時の実験で100dbの音がPCパネルを通って隣の部屋に届くと45dbに軽減されるほどです。
これは「電車通過時のガード下の騒音」が「静かな公園」程度まで軽減されていることになります。
ランニングコストが安い
財務省が定めた住宅⼯法別の「法定耐⽤年数」というのがあります。
「鉄⾻プレハブ(⾁厚3~4mm)」は27年、「鉄⾻プレハブ(⾁厚3mm以下)」は19年、「⽊質系プレハブ」22年、在来⼯法は20年でしかありません。
これらに⽐較し「コンクリート」は47年と20年以上も⻑いのです。
⽊造のようにシロアリや腐朽菌の被害もなく、いつまでも強度を保っていられるのです。
夏涼しく冬暖かい
壁に使⽤する断熱材の「発泡ウレタン」は、家庭では冷蔵庫、産業向けには⼤型冷凍庫などで使⽤されるほど断熱性に優れたものですから、夏は涼しく、冬は暖かく、年間の冷暖房コストは⽊造住宅の半分以下です。
防災住宅のデメリット
初期建設コストが多少高い
WPC⼯法の住宅の坪単価は、⽊造住宅に⽐べると、初期建設コストは多少⾼くなります。
しかし、光熱費や耐久性などを考慮した住宅ローンが終わる35年間でライフサイクルコストを計算すると、間違いなくWPC⼯法の住宅が安いと⾔えるのです。
箱型のデザインのため
好みがわかれる
WPC工法の住宅は床・天井・壁の6面すべてをPCパネルで形成するため、箱型になってしまいます。そのためデザイン性は好みがわかれてしまいます。
しかしこの面で外力を受け止めるため、ラーメン構造等に比べ、はるかに強固なのです。
狭い土地に家は建てられない
WPC⼯法の住宅を建てる場合、11tトラックでPCパネルを運搬しますが、11tトラックが⼊りにくい道路では、4tトラックに積み替えて運搬します。
さらに建て⽅時にクレーン等の重機を使⽤するため、建設予定地前⾯の道路幅は4m以上が基準とされています。(ただし建設地の裏側等に空き地があり、その空き地が借りられ前⾯道路が4m以上ある場合はこの限りではありません)
危険エリアごとの防災住宅の特徴
土砂災害特別警戒区域・土砂災害警戒区域、
ガケ条例地域にお住いの方へ
<土砂対策>
例え土砂災害が起きても、土砂を受け止めるので家自体が流されることはありません
その上で、以下の対策を実施します。
①1階の山側は、窓などの開口部を最小限とします。
窓などを設ける場合は、鉄格子を設置し、土砂が流れ込むのを最小限にします。
② 1階の谷側に、窓・玄関などの開口部を設けます。
③エコキュートを設置する場合は、谷側に配置し建物本体の壁と接合する。
<停電対策>
停電時も明かりがつくように電気配線を工夫し、2階の谷側のひと部屋だけは、発電機によって電気を使えるようにします。
<備蓄収納>
備蓄品の収納場所は、2階の谷側に設けます。
津波、河川の氾濫、高潮の浸水リスクがある
エリアにお住まいの方へ
<浸水対策>
①津波シェルターペントハウスを屋上に設置します(津波の恐れ、深い浸水想定のエリア)
②津波シェルターペントハウス内に、収納棚を設けて、備蓄保管場所を設けます
(津波シェルターペントハウスを設置しない場合は、最上階に備蓄保管場所を設けます)
③1階の電気コンセントは、ハザードマップで浸水深の想定を確認し、それよりも高い位置へ設置します。
電気配線の水没を避けることで、早期の復旧、また、復旧費用を抑えることにつながります。
④ハザードマップを確認し、必要に応じて、盛土を行い嵩上げします。
全エリア共通の設備
<停電対策>
・住宅ソーラーシステム※と蓄電システム
※もしくはソーラーシステムの設置が難しい場合は、蓄電池・発電機を用意します。
※特別電気配線(1部屋)の部屋だけは停電時も電気が使えます。
・リビング・寝室・玄関など主要部分に停電時自動点灯ライトを設置します。
・廊下・階段には、人感センサー内蔵の保安灯を設置します。
<ガス停止時対策>
・カセットコンロや1週間分のガスボンベを備えます。
<火災・地震時火災対策>
・感振ブレーカー付き住宅分電盤(3分猶予付き)設置し、大地震発生時、自動でブレーカーを切れるようにします。
・火災対策にワイヤレス連動型住宅用 火災報知機を設置します。
<断水対策>
・上水を自動備蓄する貯水タンクを設置します。
・エコキュート内にある水も生活用水として使えるため、
地震などで倒れないよう、家の外壁と接続し固定します。
・雨水タンクを設置します。
・災害用トイレとして、保管まで考えられたラップぽんSH1をトイレ内に備蓄できるような収納にします。
<床下への土砂・氾濫水流入対策>
・床下空間を土で充填し、防水シート、砕石、コンクリートで覆う「地熱利用強化基礎工法」を採用。床下空間がないため、床下に汚水や汚泥が入らず、撤去の必要がありません。
<その他>
・土地の境界等に設置する塀は、ブロック塀以外のものを使用します。
・窓には、防災・防犯用強化ガラスを使用します。
「防災住宅」を造った思い
阪神・淡路大震災以降の災害現場を調査していく中で、あまりにも多くの損壊住宅を見てきました。「日本の住宅はなぜ、こんなに災害に対して弱いのか!」という現実が目の前に広がっていました。
何千万円もの高額な買い物でありながら、技術力の高い日本がなぜ、災害に対して真に強い住宅を造れないのか。住宅業界の中には「災害で家が壊れてくれなければ、次の需要は生まれない」という酷い話を聞いたこともありました。世界で最も災害リスクが高いと言われる日本にあって、災害によって我が家に押しつぶされ、家族の命を失うことも少なくないのです。いつまでも「災害に弱い」住宅に住み続け、建て替えや修繕を余儀なくされ、35年ローンが終わる頃には、建て替えや莫大なお金で修繕している現実・・・このままではいつまで経っても日本人は豊かになれない、と実感したのです。
そこで出会ったのが、阪神・淡路大震災の被災地区に495棟ありながら、1棟として全壊、半壊どころか、一部損壊もなかった「壁式鉄筋コンクリートパネル組立造(WPC工法)」の調査結果でした。以降、この工法に注目し、その後のあらゆる災害に対しても他の工法が多くの損壊した姿を見せる中、一部損壊もなく、東日本大震災の津波にも流されていない、土砂災害にも流されていない現実を見て、「この住宅だったら、私が多くの災害現場で学んだ、さらにこうすれば家族の命を守ることが出来るノウハウを加えれば、最強の防災住宅ができる!」と考え、「津波シェルターペントハウス」などにも取り組んでいた壁式鉄筋コンクリートパネル組立造の百年住宅グループと提携し、「防災住宅」を完成させたのです。
お陰様で「これ程にまで命を守ることに特化した住宅はない」として、2021年防災グッズ大賞住宅部門で大賞を受賞いたしました。この「防災住宅」によって、迫りくる巨大災害から1人でも多くの方の命と財産が守られたなら、喜びに耐えません。
防災住宅に住んでいる人が
何よりも感じられることや体験できる世界
新型コロナウイルス感染症が収まらない状況もあり、災害が起きても避難所に行くかのどうかは悩ましいところです。しかし、巨大地震で一部損壊をした住宅は余震で倒壊する可能性もあり、在宅避難をすることはできません。同様に巨大台風が襲って来る通り道に自宅がある時、残念ながら風速40m/sを超えるような強風では、木造住宅や鉄骨系住宅は損壊の可能性が高いです。
一方、「防災住宅」の工法である「壁式鉄筋コンクリートパネル組立造(WPC工法)」は阪神・淡路大震災以降の巨大地震の揺れに対し一部損壊もなく、巨大台風に対しても「無傷」を誇っています。加えてその地域の持つ災害リスク(土砂災害や津波、河川の氾濫等)に対し対応策が施され、備蓄品の充実や停電時の対策もされていますので、「安心して災害に対峙でき、安心して在宅避難ができる」住宅となっています。
防災住宅にお住まいのユーザーさんの声
私は10年ほど前に仕事中に脳梗塞を患い、それ以来、半身のリハビリに通っています。
平成30年7月豪雨の時、当時83歳の母親と一緒に住んでいましたが、見る見るうちに氾濫水が家の中に入ってきて、1階部分はほぼ水没したような状態でした。
家は全壊判定となり、建て替えることになったのですが、災害に襲われたとき、私は逃げることが出来ないので何よりも「安全な家が欲しい」と思って「防災住宅」を選びました。実際住んでみて、この「防災住宅」には備蓄品や発電機も付いていますし、どんな災害が襲って来ても「この家にいればいい」と安心感は半端ないです。
よくあるご質問
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〇〇というところに住んでいますが、どんな災害リスクがあるでしょうか?
住所をお聞きし、その地域にどのような災害リスクがあるのかをお調べし、回答をさせていただいています。お問い合わせフォームからご連絡ください。
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いろいろな工法があり、その住宅メーカーも「災害に強い」と言って販売していますが、どの工法が本当に強いのでしょうか?
阪神・淡路大震災以降、多くの災害現場を調査してきた結果、壁式鉄筋コンクリートパネル組立造が飛びぬけて「災害に強い」ということは断言できます。
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壁式鉄筋コンクリートパネル組立造の住宅はどこでも建てることが出来るのでしょうか?
建設予定地をお聞きし、その地域の持つ災害リスクも調べたうえで、対応可能な住宅メーカーをご回答させていただきますので、ご連絡ください。
希望の土地に防災住宅が建つのか確認したい
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