<コラム28>熊本地震から5年。地震直後の死者50人が現在は276人(関連死含む)にまで拡大した訳は?
2度の震度7が起きた熊本地震
熊本地震第1回目の震度7が発生した5年前の4月14日、私は石川県金沢市にいました。
同県能美市にオープンする防災センターで常設上映する災害3Dの打ち合わせでした。
熊本地震発生を知り、調査のため翌15日実家のある広島市まで行き、16日AM4時に広島を車で出発。
その16日未明に2度目の震度7が発生。
通行止めのため幹線道路に車が集中。
熊本城に着いたのはPM1時過ぎ。
熊本城の天守閣の瓦が落ち、至る所で石垣が崩壊している現状は今でも鮮明に覚えています。
地震の犠牲者は276名に・・・
全壊棟数8,667棟、半壊棟数34,719棟、一部損壊棟数163,500棟。(消防庁平成31年4月12日)
仮設住宅入居は2万世帯を超え、5年が経過した今でも150世帯がまだ仮設住宅で暮らしています。
全壊住宅の中には耐震等級2で造られた住宅も存在し、耐震等級3で造られた住宅にも一部損壊は発生しています。
多くの住宅メーカーが「災害に強い」「地震に強い」と言って住宅を販売していますが、損壊が発生した住宅メーカーであっても「地震に強い」と言って販売しているのですから、「信じることができない」と思われても仕方ありません。
私が特に気になっているのが、2度目の震度7が襲った16日の時点で、住宅の倒壊や家具の落下等によって亡くなった方が50名(当初は49名だったがその後50名に)だったのが、現在は276名に増えていることです。
これは避難を車の中でした結果、エコノミークラス症候群などを発症しお亡くなりになったり、避難所でのストレスや応急仮設住宅のストレス等で病気を発症し、お亡くなりになる方が実に多いという数字なのです。
本当に災害に強い住宅とは?
(一社)防災住宅研究所では常々「災害に強い住宅」とは「全壊半壊だけでなく、一部損壊もなく家族の安全を確保し、災害後も避難所に行くことなく我が家でストレスのない生活ができる住宅」であると定義しています。
我が家こそ、どんな災害が襲ってこようとも、災害時も災害後も本当に安心して住める環境でなければいけないのです。ましてや何千万円も出して購入した我が家に押しつぶされて家族の命を失ったのでは、悲しすぎるではありませんか。
(一社)防災住宅研究所が過去の巨大災害の災害現場で調査してきた中では全壊・半壊どころか一部損壊もなかった住宅は「WPC工法」で建てられた住宅のみです。
災害から家族の命を守りたいと思うのならば、是非、この住宅工法に注目してみてください。
防災住宅研究所ではYouTubeにて災害体験や、災害現場レポートなどの動画を公開しています。
YouTube動画は以下のリンクよりご視聴いただけます。