防災住宅研究所

コラム

<家を建てる人へ:その9>間取り④津波から命を守るためにできること

巨大津波にも流されない住宅が存在した!

2011年3月11日、マグニチュード9.0という超巨大地震の発生によって巨大津波を発生させた東日本大震災。堤防を乗り越え、街を飲み込んでいく津波の威力は多くの方の脳裏に焼き付いているはずです。
日本の沿岸部に住む方であれば、どの地域であっても他人事ではなくあの巨大津波に遭遇する可能性があるのです。

では、巨大津波にも流されることのなかった住宅工法が存在していたことをご存じでしょうか。この写真をご覧いただきましょう。

仙台市若林区で5mの津波に襲われながらも流されなかったWPC工法の住宅

写真右側が海になります。この写真の左から2件目の○で囲んだ住宅は、周りの住宅がほとんど流された中、5mもの津波に襲われながらも、外壁には全く損傷なし。津波によって運ばれてきた防風林の松が窓ガラスを突き破り、何本も突き刺さっていたものの、流されることなく、リフォームで生活ができるよう回復したのです。

この住宅は壁式鉄筋コンクリートパネル組立造(WPC工法)で造られた住宅で、この住宅が流されなかったおかげで、裏(左端)の住宅が流されず、住人の方が1階の屋根に上がりヘリコプターで助けられています。
このWPC工法とはW=Wall(壁式)P=Precast(あらかじめ作る)C=Concrete(コンクリート)の略で、あらかじめ工場で作ったコンクリート(パネル)を現場で箱型に建設するもので、阪神・淡路大震災以降の巨大地震にも全壊・半壊どころか一部損壊もない住宅工法で、現存する住宅工法の中で「最も防災力が強い」と言われているのです。
この仙台市若林区の住宅だけでなく、他の津波が襲ったエリアでもWPC工法の住宅は流されていなかったことが確認されています。

築40年にも関わらず、約4,5mの津波に襲われながらも流されず残ったWPC工法の公営住宅

我が家に作れる「津波シェルター」とは?

「WPC工法の住宅は流されていない!」この調査結果を知った静岡市の本社を置くWPC工法のハウスメーカーである百年住宅株式会社は、住宅の中に津波対策のシェルターペントハウスを作ることを考案。
屋上に出るためのペントハウスの内側に防水シートを張り巡らせ、扉は密閉度を高める漁船用の扉を使用。このペントハウス内に空気だまりを作ってしまい、水が入ってこないようにすることで家族が逃げ込めば助かるのではないか、というものでした。原理はお風呂の中で洗面器をひっくり返して湯船に沈めると、洗面器には空気だまりが出来る、というのを応用したものです。
何度も実験を繰り返し、2013年に完成。翌年から販売を始め、既に100棟以上にこの津波対策シェルターペントハウスの実績があるようです。新築する際に、屋上に上がるための標準ペントハウスを付けた場合と比較して25万円(税別)のプラスとなります。わずか25万円をプラスするだけで万が一の時の安心と屋上での楽しみを手に入れることができます。

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津波対策をおこなっているハウスメーカーは他にない

防災住宅研究所では、この百年住宅株式会社の津波対策シェルターペントハウス完成を確認したところで、大手住宅メーカー15社に「津波対策を何か行っていますか?」とアンケート調査したことがあります。答えはすべて「取り組んでいません」というものでした。

そこで(一社)防災住宅研究所では、過去の災害に対するWPC工法の実績と津波へ対策にも取り組んでいる百年住宅グループと防災住宅研究所 児玉所長が災害現場で感じた命を守る可能性を高めるためのノウハウを取り入れた「防災住宅」を共同開発。2021年度防災グッズ大賞の住宅部門で見事「防災グッズ大賞」に輝いています。

 

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津波に流され損壊してしまう住宅工法では、津波対策はできません。津波に流されることのない「重量」があり、「壁が鉄筋コンクリート・パネル造」で強い、WPC工法の住宅だからこそ、津波から命を守る「津波対策シェルターペントハウス」ができるのです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
最後は「後悔しない住宅設備 選」です。

上記の災害のリスクのないエリアの方は、こちらを参考にされてください

<家を建てる人へ:その10>後悔しない住宅設備 10選

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