<コラム17>“在宅避難”の前提条件は「防災住宅」であること!
新型コロナウイルス感染症がまだ完全に収束しない中で、日本は梅雨に入った。
すでに「大雨注意報」が出される地域もあり、もし避難レベル3が発動されると住民(高齢者)は避難所に避難するのかしないのか、自治体はコロナウイルス感染症対策の施された避難所の運営を行うことが可能なのか、その対策は急務と言える。
多くの自治体でソーシャルディスタンスを保った状態での避難所運営を行なうため、パーテーションの設置や横たわったときに顔部を覆うような段ボールの囲いを設けるなど考えてはいるが、レベル4が発動されるような豪雨や土砂災害の発生や河川の決壊が懸念される状況に陥り、多くの住民が一気に避難所に集まった場合には、混乱が予測されることは目に見えている。
在宅避難で重要なのは「災害に強い家」
ここで重要となるのが“在宅避難”という言葉であるが、その前段階として重要となってくるのが「どんな災害が襲ってきても、安心して“在宅避難”ができる我が家」かどうかだ!
“在宅避難”の言葉だけが独り歩きし、その背景になくてはならない「対災害に強い住宅」が置き去りにされている現実に心配になってくる。
私は兼ねてから、住宅は「あらゆる災害に対し、全壊・半壊・一部損壊もあってはならない」と力説しているが、あらゆる災害にも全壊・半壊・一部損壊もない強固な躯体構造に加え、停電時対応特別配線を施した発電設備の完備や水や食料品の備蓄品を備えた「防災住宅」であってこそ、“在宅避難”が可能になるのではないかと思っている。
▼防災住宅についてはこちらの記事をお読みください▼
平成30年7月豪雨から2年
平成30年7月豪雨によって街が水没した岡山県倉敷市真備町の方々や同豪雨によって身近で土砂災害を体験した広島県内の方々は、降り続く雨を眺めながら、気が気ではないのではないかと思う。
まもなく災害発生から丸2年。現地はまだまだ復興の緒に就いたばかりといった状況だ。
「防災住宅」の普及は地域防災の在り方を今よりも何倍も安全で楽なものに変えてくれる。自治体やマスコミがもっとその大切さに目を向けてくれなければ、一気の普及はあり得ないのが残念だ。
今年も、であるが、巨大災害が襲ってこないことを切に願っている。
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