防災住宅研究所

コラム

<コラム18>西日本豪雨(平成30年7月豪雨)から2年。仮設住宅に今なお4,642名。新型コロナウイルスの影響で災害公営住宅建設に遅れ。いつになったら自宅に帰れるのだろうか・・・

西日本豪雨によって多くの住宅が流された。(写真は広島市安芸郡坂町)

 2018年7月6日・・・広島県民、岡山県民、愛媛県民にとって忘れることの出来ないあの日から2年が経とうとしている。この日、西日本を襲った豪雨によって、広島県が最多の149名(うち関連死40名)、岡山県89名(同28名)、山口県3名の合計241人(他に行方不明広島5名、岡山3名)が亡くなった。

梅雨による大雨が襲う中、土砂災害危険区域が日本で一番の多い広島県の山裾に住む方々は、気が休まるときはない。新型コロナウイルス感染症の問題もあり、避難所に行くべきなのか行かないべきなのか、判断は非常に難しい。自治体はどこも避難所での新型コロナウイルス感染症対策に頭を悩ましている。もし、この時点で巨大地震や昨年関東圏に多くの爪痕を残した台風15号や19号と同等の台風が襲ってきたら、どう行動することがベストなのか、日本国民1人1人が解答を作っておく必要があると思う。
仮設住宅に今なお住んでいる被災者が最も多いのは岡山県で1386世帯3269名(5月末時点)。河川の決壊により街が水没した倉敷市真備町の方が9割以上を占めるようだ。次いで多いのが愛媛県の339世帯717名(5月末)で続いて広島県の284世帯656名(6月1日)となっている。
そもそも仮設住宅やみなし仮設住宅などに入居できる期間は原則2年間とされているが、自宅周辺の復旧工事が終わっていない被災者の入居期間は延長される。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響によって収入減を余儀なくされた被災者もおり、転居先を見つけることが困難なケースもある。
たびたび言うが、もし被災者の方々が、例え土砂災害が襲ってきても、土砂を受け止め損壊することのない住宅に住んでいたとしたら、そもそも仮設住宅やみなし仮設住宅に住む必要はない。開口部から土砂の流入や水などの侵入は防げないとしても、リフォームでいち早く普通の生活を取り戻しているはずである。実際、私が提唱する「防災住宅」と同じ構造の住宅にお住まいの方は、修繕だけですでに日常を取り戻している。
そして今、「在宅避難」の在り方が新型コロナウイルス感染症の問題もあり求められている。その時に、災害によって損壊する可能性がある住宅に住みながら「在宅避難」はありえない。「防災住宅」は、まさに時宜を得た住宅であることは間違いがない。一日もどころか一刻も早い普及を願うばかりである。

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