防災住宅研究所

コラム

<家を建てる人へ:その1>土地探し!4大チェックポイント

【POINT1】災害リスクを調べる!

土地探しで重要なポイントの1つ目は、その土地がどのような災害リスクを持っているのかということを把握する、ということです。各自治体には災害ごとのハザードマップがありますので、まず家を建てようとする土地がどのような災害リスクを持っているのかどうかの確認することが大切です。
全国のハザードマップはこちらからも確認できます。→https://disaportal.gsi.go.jp
新たな土地探しをすることなく、ご両親がお持ちの土地を譲り受ける方も多いと思います。これまで両親が住んでいた土地で、地震等の災害が襲ってこなかったから大丈夫!と思っていると危険です。それは「運がよかった」だけと思ってください。
日本は世界で最も自然災害が襲ってくる最も危険性の高い国であることは世界的にも知られています。関東直下型地震の30年以内の発生確率はすでに70%を超え、南海トラフ巨大地震の40年以内の発生確率も90%程度を示しています。

<海溝型地震の長期評価の概要(算定基準日 令和4年(2022年)1月1日)>政府 地震調査研究推進本部

現在地震を引き起こす可能性のある断層は約2000か所が判明しています。阪神淡路大震災以降23回の直下型地震が発生していますが、判明している断層が動いたのはわずか7回。16回が未判明の断層だったのです。ゆえに現在の3倍、約6000か所の断層があるのではないかと言われ、それらがいつ地震を発生させるのか予知はできないのが現状なのです。日本全国、地震に対し、安全なところはありません。

日本は地震だけではありません。温暖化の影響もあり、台風は巨大化することが予測され、ゲリラ豪雨の回数も過去30年間に比べ1.5倍になっています。その他竜巻や傾斜地では土砂災害もあるのです。河川の氾濫も見過ごすことができません。過去をさかのぼり、災害の記録を調べてみるのも重要なことです。ご両親から譲り受ける土地が、あるいはこれから購入しようとする土地がどのような危険性があるのか、まずは知ることからスタートしてはいかがでしょうか。

※防災住宅研究所では、無料で「あなたの土地の災害リスク診断」を行なっています
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【POINT2】避難経路は大丈夫?

土地探しで重要なポイントの2つ目は、災害発生時に避難経路は確保できるか、ということです。
例えば巨大地震が発生した時、避難経路に住宅が倒壊し、道を塞いでしまったら避難することが出来なくなってしまいます。同様に避難経路横の住宅火災が発生し、避難経路が使えなくなってしまっては大変です。災害は必ず発生するものだと思って、土地選びをしなくてはいけません。夜中に巨大地震が発生した時など、停電し、真っ暗な中で避難を迫られることもあるのです。周りにどのような建物が建っているのかもチェクすべき点です。旧耐震基準の住宅が多い場合、巨大地震発生によって多くの住宅が倒壊し、歩くのも一苦労ということも少なくないのです。
東京都では、・建物倒壊危険度・火災危険度・災害時活動困難度などの地域の危険度を公表しています。
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/visual.htm

【POINT3】道路の幅を確認しよう

土地探しで重要なポイントの3つ目は、土地に接する道路幅が6m以上あるかどうかです。
というのも建築がいざ始まった場合、いかに建築資材を効率よく建築現場に運ぶことが出来るかは、コスト面で非常に重要なことです。道路幅が狭く、11tトラックで資材を運ぶことが出来なかった場合、近くの空き地等を確保し、4tトラックに積み替えて、建築現場に運ぶといったことが必要になるかもしれません。そうすると当然のことながら、建設資材運搬のコストが高くなってしまうことも少なくありません。

【POINT4】地盤調査をオススメする理由

土地探しで重要なポイントの4つ目は、候補地が決まったら、地盤調査をすることをお勧めします。出来ることならスウェーデン式サウンディング調査ではなく、実際の地質サンプルを採取するボーリング式調査で行ってください。
その結果、地盤が柔らかい場合などは、支持地盤までコンクリートを流し込む地盤改良を行う必要があります。
この写真は2018年に発生した北海道胆振東部地震の札幌市清田区のものです。

道路が陥没し、家が傾いてしまっています。調査してみると、もともと川が流れ水分が多い土地で、住宅メーカーもわかっていたはずなのに、なぜ地盤改良工事を提案しなかったのか不思議でしょうがありません。地盤改良を行なわなかったことで、巨大地震によって「全壊」を余儀なくされてしまっています。地盤調査をし、少しでも危険性があると判断した時には、地盤改良を行い補強することも必要です。

(右の住宅はコンクリート杭によって地盤改良していたため、地盤が沈下しても傾いていない)

いくら安い土地が見つかった、と喜んでいても災害によって逃げ場を失なったり、せっかく建てた「我が家」が災害で損壊をしてしまったのでは「安物買いの銭失い」と言われかねません。
「災害は必ず襲って来る」という視点で土地選びをすることが大事です。続いて、ハウスメーカー選びの注意点をご確認下さい。

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