防災住宅研究所

被災地調査報告

「災害に強い」はずの住宅メーカーの住宅が・・・

日本国内での竜巻被害は少ないように思うかもしれないが、竜巻は毎年10~40個が発生し、時に大きな被害を発生させている。
静岡県牧之原市は茶畑が広がる高台に位置している。
竜巻が発生したとみられるのは5月1日午後6時半過ぎのようで、ページトップにある写真の住宅にお住まいの方は、

「雹が降ってきて、農作物が心配なので外を見たところ、バリバリという音とともに一気に強風が襲って来て、一階のリビングの窓が内側に膨らんだかと思ったら、外側にはじけ飛びました」

と恐怖を語る。
二階へ上がってみると屋根は飛ばされ空が見える状態。「雨が3cm近く部屋に溜まっていた」と驚きを隠せない状況だった。

竜巻被害は道一本隔てると全く異なる場合が多い。
被害住宅を追っていくと、竜巻の通り道がわかる。
牧之原市では倉庫や車庫など3棟が全壊し、家屋など88棟の屋根が剝がれたり、窓ガラスが割れたりする被害が出た。
電柱16本が倒壊、車両5台が横転した。
風速約55メートルと推定され、風の強さを示す基準の「日本版改良藤田スケール」では6段階のうち上から4番目の「JEF2」に当たる。

「災害に強い」とカタログ等で謳っている大手住宅メーカーの屋根や外壁が強風や飛来物によって損傷し、「決して災害に強くない」ことを実証して見せているのには驚かされる。
「災害に強い」と言って住宅販売をしている住宅メーカーは、損傷に対する修繕を保証してくれるのかと言えばそうではない。
損傷の修繕は「自腹」であることを自覚しておくことである。


日本は災害大国である。台風も今後はさらに巨大化し、風速も増して襲って来ると研鑽されている。
残念ながら現在の木造、鉄骨造では持たないと懸念されている。
例えどのような災害が襲ってこようとも、全壊・半壊どころか一部損壊もなく、家族の命を守ってこそ、「災害に強い住宅」と言えるのではないかと思うが違うだろうか!

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