防災住宅研究所

令和3年8月豪雨 広島土砂災害

木造・鉄骨系住宅では損壊回避は困難か!

土砂災害発生翌日に現場入り

2014年に77名もの死者を出した広島市土砂災害に続き、2018年7月に発生した豪雨でも死者57名行方不明4名、家屋被害4,895棟もの被害を出した広島県。
土砂災害危険区域が47,691カ所でワースト全国1位の最も危ない県が、三度豪雨による土砂災害等に見舞われ、住民は雨が降るたびに眠れぬ夜を過ごしています。
8月12日から降り始めた雨量が500ミリを超える地域もあり、8月1か月間に降る平均値の3倍を上回るなど、今後の雨量によってはどこも予断を許さない状況に陥っています。
13日に土砂災害が発生したという報を受けて、翌14日午前中から災害現場に向いました。
最初に向かった現場は広島市安佐南区山本6丁目
昭和40年代~50年代に山を削り、住宅団地を形成した地で、2014年にも近い場所で土砂災害が発生しています。

泥水が流れ続けている現場
泥水が流れ続けている現場

現地に近づくと道路を塞ぐように泥水が流れ続けています。
土石流発生によって巻き込まれ流された車が住宅に寄りかかっています。
さらに土石流発生地に近づいていくと山からまだ滝のように泥水が流れ落ち、危険な状態です。

土石流発生地ではまだ滝のように泥水が流れ落ちている
土石流発生地ではまだ滝のように泥水が流れ落ちている
駐車場では車が土砂に埋まり、動けない状態です。
駐車場では車が土砂に埋まり、動けない状態です。

広島市西区田方の状況

続いての現場は広島市西区田方
100m近く土砂が流れ落ち、今なお泥水がこちらも流れ続けています。
赤い車が屋根近くまで土砂に埋まっています。

広島市西区田方で土砂に埋まった車
広島市西区田方で土砂に埋まった車

自動車屋のガレージから飛び出した高級外車(フェラーリ)が無残な状態でブロック塀に寄りかかっています。
木造住宅の1階部分にも土砂は侵入。1mを超える土砂が埋め尽くしています。

無残な状態でブロック塀に寄りかかった車
無残な状態でブロック塀に寄りかかった車

土砂災害は決して他人事ではない!

決して他人事ではない土砂災害

広島県民にとって災害は「まさか」ではなく「またか!」の領域に入ってきています。
温暖化が続き、太平洋の海水温が高いままに保たれている昨今は、毎年どこで線状降水帯を伴う豪雨が発生してもおかしくないのです。
今回の豪雨、土砂災害で被災した住宅は半壊・床上浸水等で105棟と前回の被害住宅数よりも少ないとはいえ、もし我が家がその数字の中に入っていたとしたら・・・他人事ではないのです。
近年の豪雨は過去のデータが参考にならないと言われています。
今までの対策では「家族の命を守る」ことが非常に困難になってきていることを知ってください。
防災住宅研究所では災害から家族の命を守る最大の砦は「我が家」だと言い続けています。
加えて今までの木造や鉄骨系の住宅では「家族の命を守る」ことが厳しくなっている現実を直視し、真に「家族の命を守る」住宅工法は何なのか。
(一社)防災住宅研究所が提唱する「防災住宅」とはどのようなものなのかを直視していただければと願っています。

▼「防災住宅」についての記事はこちら▼

防災住宅とは

▼今回の現場視察の模様は動画でもご覧いただけます。▼

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