防災住宅研究所

被災地調査報告

地震に弱い住宅を露呈。5万戸弱に損壊が!

新潟県中越地震

●発生年月日  2004年10月23日午前17時56分
●地震名    平成16年新潟県中越地震
●震源地    新潟県中越地方(北緯37度17.3分、東経138度52.2分)
●震源の深さ  13km
●規模     M6.8
●最大震度   7(新潟県川口町)
        6強(小千谷市、山古志村、小国町)

●被害状況(気象庁発表)

(1) 人的、住宅被害等

人的被害
死者 40名
行方不明者 0名
負傷者 2,867名
住宅被害
全壊 2,028棟
2,029世帯
半壊 4,430棟
4,435世帯
一部損壊 42,429棟
合計 48,887棟

2004年10月26日、27日 現地調査

2時間で震度5以上が11回発生。5万戸弱に被害が!

 気象庁が1949年に震度7の震度階級を設定してから、2度目の震度7が発生した。1度目は1995年の兵庫県南部地震。これは現地調査で判明したもので、計測震度計で震度7が観測されたのは日本で初めてである。

 今回の新潟中越地震は3つの特徴を持っていた。まず、「きわめて浅い震源の直下型地震」であったうえに、「群発余震」とも言われる震度5以上の余震が、最初に発生した23日17時56分から19時48分までのわずか2時間弱の間に11回も発生したことで、木造住宅を中心に2,000棟以上の全壊住宅を生み、一部損壊も加えると5万戸弱の住宅が壊れた。さらに地震発生前に台風があり、雨で緩んでいた地盤が余震で1,500か所を超える崩落が発生。河川を堰き止め、水害も発生させている。 住宅会社の人間は、自分が手掛けた住宅の下敷きになって、住人が亡くなり、負傷していることをどのように受け止めているのだろうか。新潟県は1964年にもM7.5 の新潟地震に見舞われており、29名もの死者を出したにもかかわらず、住宅の耐震化は進められていなかったのだろうか。

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